蝶のように舞い、蜂のように刺す天才レーサーについて

カチャウ。

こんにちは藤美かとりです。

 

私の見た初めての車映画、それは「カーズ」で私は14歳でした。
その車は格好良くて美しくて、こんなに素晴らしい映画を観れる私はきっと特別な存在なのだと感じました。 -藤美かとり

 

中学生の頃、大好きなディズニーピクサー映画から新作が出るということで観に行った。

正直車には全く興味がない。びっくりするくらいない。

世の中の女子が「やっぱり軽に乗ってる男とか無理だよね〜」と言っている中で、私は乗れれば良いじゃん?と思っているレベルで興味がない。

車輪の付いている動く箱で移動に便利、程度にしか思っていない。

もちろん免許も持っていない。多分100mにつき1人轢く。

そんな私が観に行った映画、それが「カーズ」である。

天才ルーキーのレーサーであるライトニング・マックィーンが、様々な人々(車だけど)と出会い、自分と向き合っていく映画だった。

なんだか分からないが、これがもう抜群に格好良かった。

CGだとは分かっていてもまるで実写と見紛う程のリアルさ。

颯爽と駆け抜ける車体に反射していくサーキットの眩しすぎる照明。

本当に格好良くて格好良くて、あまりの格好良さに擬人化して映画1本分まるまる漫画にして描いた。

漫画を最後まで描いたことも無かった私にとってそれもまた思い出となった。

 

大学生になった頃。

そのカーズの2作目がやってきた。

カーズ2」である。そのまんま。

授業の後に大学の近くの映画館へ行って観に行った。

あとあとお付き合いをすることとなる元彼と所謂初デートとして観に行ったのだが、もうとにかくそちらの存在は全く気にせずにスクリーンにのめり込んだ。

マ、マックィーンが…日本に来ている…!!

1作目で見事そのレーサーとしての腕前を披露したマックィーンは、すでに何度も優勝を果たし、世界各国のレースに続けて出場するという作品だった。簡単に言うと。

そのうちの1つがここ日本であり、舞妓さん(車だけど)や板前さん(車だけど)が出てくる。

吹き替えではない方のメーターが言う「ドモ〜アリガ〜ト〜」はとっても可愛い。

2はマックィーンというよりも、親友メーターが主役に近かったが、あの大好きな天才レーサーを再びスクリーンで見ることができる!!ととても興奮した。

 

カーズは車たちが暮らす世界の物語なので、グッズが男の子向けのものが多い。

レーサーっぽい服や、子供用のスーツケース、ラジコン、などなど。

2が上映された当時はディズニーストアにぬいぐるみがたくさん販売されていた。

縫製が個人的にちょっとアレだったので自分用には買わなかったが、この調子でグッズ化し続けてほしいなあと思った。

でも公式からの供給はやはり子供向けばかりだった。

 

昨年の2017年。

3が上映された。

もう本当にびっくりしたし、何がびっくりしたって冒頭のレースシーンである。

とにかくまずこの3の予告。


ピクサー最新作/映画『カーズ/クロスロード』特報

これはエマ・ワトソンが出演する「美女と野獣」を1人で観に行った際に突然流れた。

一瞬映るサーキットを走る車の映像。

「えっ、何これカーズ?え?は?」

直後入る解説。

解説(片山右京氏)「ん〜、マックィーンがちょっと厳しいですねえ」

私「厳しいの!?

実況(福澤朗氏)「天才にも限界があるということでしょうか」

私「限界があるの!?

突如車輪がぶれ始めるマックィーン。

そして火花や破片を散らしながら空中を回転していくマックィーン。

「いつまで、走り続けるんだ…?」

 

もう美女と野獣どころじゃなかった。

いやいやいやおかしいでしょだって。

私はフランスの片田舎の美人が燭台とか時計と仲良くなりながらちょっとずつ野獣と恋を育んでいく名作の実写を観に来たわけで、決してディズニー映画での最推しがスローモーションでクラッシュしながら自分に問いかけてるシーンを観に来たのではない。

普通に息を飲んだ。

たったこれだけの映像で、完全に全てを持って行かれた。

もちろんちゃんと美女と野獣は楽しんだけど。

なんてもん見せてくれるんだピクサーさん。ふざけんな。楽しみに待ってます。

ということで私は高めのお金を払い、最推しを素晴らしい状態で観に行くために4DXを選んだ。

初体験4DX。

駆け抜ける時に感じる風。

そして体感するクラッシュ。

マックィーンのクラッシュシーンは私の心身もクラッシュさせた。

ガールフレンドのサリーちゃんがその時息を飲むんだけど、私も同タイミングで飲んだ。

 

中学の頃から今に至るまで。

3作に渡り、若手レーサーで「坊や」と呼ばれていたマックィーンの成長を観てきた。

3作目では「おじさん」とか言われる時もあったけど。

ルーキーからベテランへ。

夢の続きへ。

サーキットを駆け抜けるマックィーンも、サリーとドライブしている時のマックィーンも。

とっても格好良くて時々可愛い。

「蝶のように舞い、蜂のように刺す」とマックィーンは本編で何度か言うが、正しくそうだった。

 

そのマックィーンが。

私が恋焦がれ続けたマックィーンが。

東京ディズニーシーに登場した。 

ありがとう、Pixar play time。

ありがとう、オリエンタルランド

 

半年前。

先輩「かとりちゃんそんなにディズニー好きならディズニーリゾートで結婚式しなよ。キャラクター呼べるんでしょ?誰呼ぶの?ミッキーとか?」

私「ライトニング・マックィーンにエンジンブルルルルルルンッてしながら入場してほしいですね」

先輩「いないから」

 

先輩。

いました。

 

普段ディズニーは2泊3日、或いは3泊4日で行っている。

北海道から出向くのだから長めに楽しみたい。

しかし今回はやや急だったのと日程の都合上、1泊2日の弾丸で向かった。

こんな日程で行くのは初めてだ。

明らかにマックィーンに会いにいくための日程だ。

高校からの友人達と共に私は冒険とイマジネーションの海、東京ディズニーシーへ向かった。

初日はランドにしたけど。

 

さあ当日。

アメリカンウォーターフロントを練り歩くと聞き、どこをどういったルートで回るのか事前に確認するべく、近くにいたカストーディアルさんに尋ねた。

私「すいません、マックィーンがこの辺り通ると思うんですけど、どこをどう通るんでしょうか…」

カストーディアルさん「マックィーンですか?あちらにタワー・オブ・テラーがあるんですけど、その横から出て来ますよ〜。SSコロンビア号前のプロペラがある広場を周ってこの高架下を通りながら、あちらのコロンブス像を回って、あそこの道路を通ってこちらに戻ってきます」

私「めっちゃ通る…」

完全にパレード。もはやパレード。

まあヴィクトリーラップだからな。そりゃ周るよな。

ディズニーシーってパレードはなかなかやらないけど、そんな中でやってくれるなんて。

持って来たミラーレス一眼を構えながら、事前にどこで待つか確認した。

逆光もいろいろ考慮した。

でも何よりも、どういう風にやって来るのかも確認したかった。

とりあえず確認して、その後2回目今度は1人でも良いからもう一度見に来て立ち位置やシャッターチャンスを調整するつもりだった。

 

10:00。

私たちが立っていた場所はステージから離れた場所だったため、定刻をややすぎてから彼は目の前にやってきた。

ピカピカの真っ赤なボディ。

広がる青空と眩しい太陽光を反射するボンネット。

沿道にいる私たちに向けて視線を送るスカイブルーの瞳。

ピストンカップ連覇の実力と自信を纏った笑顔。

今こんなこと書いてるけど、目の前にした時は本当に「むり」と「もうむり」しか言えなくなった。

彼の前後にはマックィーン仕様となったダンサーさんたちが笑顔で旗を振り、そのさらに後ろの方には同じ旗を振りながらついて歩くたくさんの一般ゲストたち。

その姿はまさに勝者のパレード。

構えたミラーレス一眼はシャッターボタンを押すことが出来ず、気付いたら動画撮影ボタンを押しながらカメラを向けていた。

通り過ぎていくのを見つめながら、彼のスポンサーであるRust-ezeの広告が入っている後ろ姿を見送った。

 

本当に無理だった。無理。もう無理。

もうこの時の話を口頭でしようとすると、とりあえず激しい身振り手振りと

いやもうほんっとうにむりだった。やばすぎる。むり

しか言えない。

何が無理なのか分からないけど本当に無理だから仕方がない。

格好良すぎてクラクラする。

こんな状態になるなんて今までほとんど無かったけど、もういろんな意味で眩しかった。

 

ところで私は「腐女子」ではなく「夢女子」である。

今まではまって来たジャンルにはそれぞれ「はあ…彼女になりたい…」「結婚したい…」と思えるキャラクターが1人ずつくらいはいる。

ではマックィーンはどうなのか。

半分そうだけど半分そうじゃない。

なんていうかこう、めちゃくちゃ格好良いからそう思う時もあるんだけど、マックィーンにはやっぱりガールフレンドのサリーちゃんが大事。

天才と謳われたルーキーのレーサーである年下男子マックィーンと、

都会で弁護士をやっていたできる年上女性サリー。

自信過剰で調子に乗っていた天才マックィーンを「ステッカー君」と呼ぶサリーちゃんには年上の女性の余裕と色気があると思うんだよ私は。そう思うんだよ。

あの2人だからこそバランスが良いのであって、そこに私は必要ない。

こんなに大好きなキャラクターなのに、こんな感情になるのは初めてだ。

2人には幸せになってほしいし、ずっと仲良くしてほしい。

今回友人達にちょこちょこ言われたけど、つまりそういうことなんだ。

私は多分、別にマックィーンの彼女になりたいわけじゃない。

ただめちゃくちゃに格好良いからきゃーきゃー言うだけ。

 

2回目のヴィクトリーラップ。

真正面から撮影することに成功した。

目線いただきました。

しかもこの回は私1人での参加だったので、そのまま一般参加列の後ろの方にくっついて一緒にニューヨークを練り歩いて来た。

新鮮だった。

両サイドの沿道に人がたくさんいるそのど真ん中を歩いている。

パレードなんて参加することある?私はない。

ダンサーさんたちはいつもああいう視界なんだろうなあ。

人混みで全く見えないけど声だけは常に聞こえているので、マックィーンと一緒に練り歩いているというこの謎の喜びに包まれながら一緒に歩いた。

中学生の私に話したら驚くだろう。

あのライトニング・マックィーンのパレードの後ろに一緒にくっついて歩いて周ったんだよ」と。

 

正直もうちょっとグッズが欲しかった。

散財するつもりで行ったのに、結局ポップコーンバスケットくらいしかマックィーンのグッズは買ってない。

もっとたくさん出して欲しい。

それに今回ので思ったが、男の子などはもちろん、私みたいな女性もたくさんきゃーきゃー言ってた。

 オリエンタルランドさん、需要めっちゃありますよ!!

なので是非今後もショーやパレードに彼を出してください。

よろしくお願いします。

 

ところで今映画の1作目を見ながらこの記事を書いているけど、まだまだ調子に乗っている頃で本当に可愛らしい。

3作目では「坊や」という呼び名よりも「おじさん」と呼ばれることが増えてしまったマックィーン。

これはルーキーからベテランへの成長、そしてここが「クロスロード 」だというのが観ている私たちにも伝わる。

車が主役の映画に、こんなにもたくさんのことを教えてもらった。

まだ観たことがないという方は是非カーズシリーズを観ていただきたい。

ついでに「メーターの世界つくり話」という、親友のメーターが主人公の短編集も本当に面白いのでおすすめ。

特におすすめは、東京で披露された必殺技です。

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車映画と侮るなかれ。

子供はもちろん、大人もとっても楽しめる作品。

それが「カーズ」。